2月8日開催の組合会において、令和3年度(4月1日~翌3月31日)の事業計画と予算が承認されました。
1.全体概要
予算規模は前年度に比して、「高齢者医療制度への納付金」(以下「納付金」という)が増加したため、
支出が102,500千円増の1,810,471千円となりました。
収入の不足分は、前年度からの繰越金150,000千円を充当するため、保険料への影響はありません。
これは、健保組合の財政運営において大きな比重を占める納付金が、前年度は前期高齢者医療費の減少と、平成30年度における前期高齢者納付金の還付によるプラスの影響が114,013千円ありましたが、新年度においてはこれがなくなったためです。
なお、この納付金の算定は、当該健保組合における前期高齢者 (65歳~74歳の加入者)の医療費がベースとなっており、当健保組合においては、平成25年度をピークに減少に転じ、平成30年度以降は、ピーク時の「4分の1」~「3分の1」程度で推移しており、納付金額が抑えられていた要因となっています。
このように前期高齢者の医療費は、健保組合の財政運営に大きな影響を与えます。
QOL(生活の質)を保つためにも、転倒などのケガを防ぐとともに、病気の重症化を防ぐことが大切です。
また、若い人も早くから健康意識を高め、自らの行動で回避可能な生活習慣病にならないような取り組みが必要です。
2.保健事業への取り組み
当健保組合では、保険給付のほかに、人間ドックや巡回レディース健診、歯科健診などの疾病予防や、健康維
持のための禁煙支援やウォーキングイベント、健康教育等の取り組みを継続的におこなっております。
今年度の変更点につきまして、まずは昨年好評を博したHPV(ヒトパピローマウイルス)のスクリーニング検査の対象範囲を20歳以上の全加入者に拡大し、健診を強化します。2つ目は在宅勤務や人との接触制限等によるコミュニケーション不足のメンタルへの影響を考慮し、オンラインによるメンタルヘルス教育を実施するとともに、特に新入社員向けとして、臨床心理士による全員面談を実施します。3つ目として健保組合の独自ポータルサイトである「けんこうWeb」をスマートフォン対応とし、加入者の利便性向上を図ります。